「ZOO」乙一

bearaerosmith2004-02-08

http://product.esbooks.co.jp/product?accd=31147691
短編集全10作。
「カザリとヨーコ」救いがなさすぎる話。小説「バトル・ロワイヤル」読んだ時みたいな悪意を感じた。
「血液を探せ!」オチが…。笑わそうとしてるんだろうけど、笑えない。
「陽だまりの詩」この話は大好きかも。
「SO−far そ・ふぁー」プロットがいいのに…結末が嫌い。
「冷たい森の白い家」これも救いがなさすぎる話。意図的に作ったグロテスクな童話。
「Closet」つまんない。
「神の言葉」消化不足でもったいない。
「ZOO」あらすじ聞いておぉっと思ったけど、そういう話かとガックリした。
「SEVEN ROOMS」「CUBE」みたい。とても映画的。
「落ちる飛行機の中で」ううむぅ。ギャグは入れなくてもよかったのに。
まだこの本しか読んでないから何とも言えないけれど、この本だけで語るならば、この人は設定がとても斬新でいいのに、せっかくのストーリーを活かしきれていない消化不足なかんじがしました。それから、描写が残酷でグロテスクなのに、江戸川乱歩坂口安吾のような血肉の匂いを感じない。リアリティの欠如。
短編は実は一番難しいんだなぁ。なかなか星新一のようにはいきません…。とりあえず他の本も図書館の予約待ち。
http://www.shueisha.co.jp/otsuichi/top.html
(↑本人のあとがきと未収録の短編が読める。)
作者本人のサイト
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/3259/