はてなダイアラー映画百選

bearaerosmith2004-05-06

38番目のバトンをいただきました☆

悩みに悩んで選んだ映画は…


ギルバート・グレイプ』(原題:What's Eating Gilbert Grape?)
(93年/アメリカ)
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジョニー・デップレオナルド・ディカプリオジュリエット・ルイス


アメリカの片田舎の小さな町。スーパーで働きながら、知的障害を持つ弟アーニーと夫の死で過食症になってしまった母ボニー達家族の面倒を見ているギルバート。
ある日ギルバートは、車の故障で町にキャンプしていたベッキーと出会って…。
ピーター・ヘッジスの小説映画化。


家族って、厄介で格好悪くて恥ずかしくて面倒くさくて。そんなお荷物を全て捨ててしまいたいと思いながら、本当は一番の宝物だったりする。
それがとても丁寧に描かれている映画。
どこにも逃げ場が無くて、面白いことも何も無い。子供はみんなグレてしまうんじゃないかと思うくらい、何一つ変わらない退屈な小さな町。そんな町で、淡々と働き家族の世話をするギルバート。きっと何もかもほうり投げたくなることもあるんだろう。泣きたくなることも、暴れたくなることもあるだろう。その姿を見るだけでとても切ない気持ちになる。
彼一人が犠牲になる必要はなかったのかもしれない。だけれども、荷物を捨てることは彼自身の良心が許さなかったんだろうな。
「良いことをした人には幸せが来る」そんなおとぎ話みたいな、気恥ずかしくなってしまうような話を大声で叫ぶことなく、「泣け」と強制することもなく、胸がきゅっと締め付けられるようなきれいな田舎町を舞台に描かれています。


ディカプリオは「タイタニック」に出さえしなければ、と後悔してしまうほど(だってその後の映画は…;)で、あの知的障害の様子が演技に見えないほどリアル。でも、彼が目立つので忘れてしまいがちだけど、ジョニー・デップの演技はそれをさらに上回っていて、ただただすごい。絶望の中に生きているのに卑屈ではなく、愛すべき優しい主人公ギルバートは彼なしでは表現できなかったんじゃないか。(おまけに、彼の映画の中では珍しく変なメイクはしてないし。(笑))そして、ジュリエット・ルイス。おせじでも美人とは言えないけれど、爽やかな風のような女の子で、同性から見てもとてもキュートだった。
この映画の中の彼らを見ていると、10年でそれぞれ俳優としての歩む道は随分変わってしまうんだなと思ってしまったりして。
何はともあれ、見ないと一生後悔する映画。太鼓判押します!


次はid:izumisanさんにバトンタッチします〜。m(_ _)m