高橋留美子・人魚シリーズ

bearaerosmith2004-10-09

人魚の肉を食べると、不老不死の体になるという。ただし、人魚の肉は猛毒で、誰もが不老不死になれるわけではなく、体に合わずに死んでしまったり、恐ろしい化け物になって永遠にさまようものがほとんど。人魚と永遠の命を巡る、愛憎と欲望うずまく人間達の悲しい物語。
昔、『人魚は笑わない』を読んで、『うる星やつら』の高橋留美子がこんなダークな漫画も書いてるんだなとびっくりした覚えがある。その後遠ざかっていたのだけど、ブクオフでこのシリーズを見つけて購入。あんまりにも面白くて一気に読んでしまいました。一番好きなのは『舎利姫』。お父さんやみんなの気持ちを考えると思わず涙が出てしまった。似たようなシチュエーションの『約束の明日』もまた違った意味で切なくて辛くて悲しいお話でした。古典短編小説『猿の手』やキングの『ペット・セマタリー』にも甦りの怖さが描かれているように、やはり死者を甦らせるのは全世界共通のタブーなんだろうなぁ。
このシリーズは現在『人魚の森 (少年サンデーコミックススペシャル―高橋留美子人魚シリーズ)人魚の森』、『人魚の傷 (少年サンデーコミックススペシャル―高橋留美子人魚シリーズ)人魚の傷』、『夜叉の瞳 (少年サンデーコミックススペシャル―高橋留美子人魚シリーズ 3)』の3冊が出ていて、1作目から20年ほど経過しているけど未完とか。なんとか完結してほしいけど、『犬夜叉』があるから無理か…;
余談だけど、高橋留美子って擬音語が面白い。今、短編集と『うる星やつら』傑作集を読んでるんだけど、なんともコミカルで独特な擬音語を使っているので、彼女の漫画を読む機会があったらぜひ注目しながら読んでみてくださいませ。
・ぷち資料館(高橋留美子データ)
http://www2j.biglobe.ne.jp/~k_asuka/shiryo_m.html
・『人魚の森』レビュー(そうそう、言いたかったのはコレよ!)
http://snow-man.cc/sakigake/manga/marmeid.htm