グッバイ、レーニン!

(原題:GOOD BYE,LENIN!/03年・ドイツ)
監督: ヴォルフガング・ベッカー
出演:ダニエル・ブリュール(アレックス)、カトリーン・ザース(母クリスティアーネ)、チュルパン・ハマートヴァ(ララ)、マリア・シモン(姉アリアーネ)
社会主義に傾倒していた母親が心臓発作で倒れた。意識不明で入院している間に、ベルリンの壁が崩壊。数ヶ月後、奇跡的に意識を取り戻したものの、「ショックを与えると再度発作を起こし命の保証はできない」と宣告される。母の命のために主人公アレックスたちは東ドイツの崩壊を隠す嘘をつくことにするが…。
遠い国に住んでいる私には、ベルリンの壁が崩壊した当時「行き来ができるようになって良かったねぇ」ぐらいにしか思っていなかったけれど、東ドイツに住んでいた人は本当にすごい事件だったんだなぁ…。コカコーラにバーガーキング、AVから洋服まで急に資本主義の波が押し寄せ、まるで50年前の人がタイムマシンで現代にやってきた位のカルチャーショックだったんだろう。良いことだけじゃない。物価の格差に失業、お金が一夜にしてクズになってしまうなど、立派な人間をアル中に変えてしまうほどの出来事だった。それを心臓の弱い母が知ったら…。主人公がついた嘘はかなり無茶だったけれど、大切な母のために一生懸命奔走する彼を応援しながら観ていました。私が母の立場だったら、やっぱり同じ道を選んでいたかもしれない。辛い選択だったけれど、こんなに親思いの息子をもって母は本当に幸せだったろうなぁ。切なくて暖かい気持ちになる良い映画です。おすすめ。
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